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2019年6月10日(月),株式会社ニコン コアテクノロジー本部 菅谷綾子先生による先端光科学講義T「光学産業における光学技術」,6月12日(水)〜13日(木),株式会社ニコン 大内由美子先生,菅谷綾子先生,吉田三環子先生,竹中修二先生,鳥取潤一郎先生, 水田正宏先生,による先端光科学実験実習T「レンズ設計・基礎から実戦まで」が開催されました.  

講義では,1609年に発明されたガリレオの望遠鏡から最新の天体望遠鏡,STED/PALMなどの超解像顕微鏡をご紹介いただいたあと,顕微鏡の光学系を理解するために必要なレンズの結像性能や絞りの影響について,実際に撮影された写真を交えながら解説いただきました.続いて,顕微鏡の性能に影響する収差をザイデルの6収差(単色収差)と色収差に分類し,球面収差,歪曲収差,色収差が発生する原因や,それらに起因する撮像画像のボケや歪みについて,解説いただきました.また,半導体露光装置に使用する光の短波長によって,その結像光学系の開口数の増加し,半導体の微細化が進んだ背景や,照明光の偏光方向による像のコントラスト変化について解説いただきました.最後に,構造化照明を用いた顕微鏡の解像度向上について解説いただきました.

実験実習では,まず,レンズを設計するうえで必要な,幾何光学(直進,反射,屈折)の基礎と結像理論および収差論について解説いただきました.その後,単レンズを用いた結像光学系の設計を通じて,レンズ設計ソフトウェアCODE Vの操作方法を習得しました.また,2枚のレンズから構成されるダブレットレンズ光学系を設計し,軸上収差と軸外周差が単レンズに比べて小さくなること,異なる屈折率をもつガラスの組み合わせによって,収差を最小化することができることについて確認しました.最後に,レンズを3枚用いたトリプレットレンズ光学系を設計しました.与えられた条件のもと,レンズに用いる光学材料の組み合わせやレンズの位置,厚みなどを調整することで,各々独自の光学設計を行いました,実習の最後には,自ら設計したトリプレットレンズの性能発表会を実施し,工夫した点や難しかった点などについて議論しました.

本実験実習では,文部科学省「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」先端レーザーイノベーション拠点「ALICe」と工学系研究科附属光量子科学研究センターのご支援を受け,工学系研究科機械工学専攻の吉崎れいなさん,工学系研究科物理工学専攻の砂田佳希さんにティーチングアシスタントとしてご協力いただきました.

2019 June 10 〜 June 13 株式会社ニコン
講義・実験実習風景