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2019年6月3日(月),浜松ホトニクス株式会社 中央研究所 井上卓 先生による先端光科学講義T「空間光変調器とその応用」,6月4日(火)~6日(木),浜松ホトニクス株式会社 中央研究所 井上卓 先生,松本直也先生,酒井寛人 先生による先端光科学実験実習T「空間光変調器を用いた光の空間的性質制御」が開催されました.

 

講義では,波としての光(電磁波)の性質と波面の数式表記やその取扱いについて,また,可変ミラーや空間光変調器などの波面制御素子について解説いただいたきました.続いて,透明電極,液晶層,誘電体多層膜ミラーと半導体素子から構成される液晶型空間光変調器(LCOS-SLM)の構造と電圧を印加して液晶を配向させ入射光の位相変調を行う方法について解説いただきました.実際の光学系にみられる理想波面からの差異を表現する波面収差と,それぞれの波面収差が集光特性に及ぼす影響について解説いただいました.最後に,回折によるビームマルチスポットや波面収差補正,光パルスの時間波形制御など,空間光変調器用いた応用技術についてご紹介いただきました.

実験実習では,講義で解説いただいた液晶型空間光変調器(LCOS-SLM)を用いて,レーザー光の波面を制御する実験実習を行いました.平行光とした赤色ダイオードレーザーの出力をLCOS-SLMに照射して,その反射光をレンズで集光し,集光スポットをCCDカメラで測定する光学系を構築しました.まず,回折格子型やフレネルレンズ型など,各種パラメータの位相変調を加えた場合に,集光スポットにどのような影響を及ぼすのかを計測しました.次に,講義で回折いただいた様々な波面収差に対応した非点収差やコマ収差をLCOS-SLMによって加えた場合の集光スポット形状の変化,様々な角運動量を持つ光渦を与えるような波面形状を与えた場合に,中空ビームが形成される様子を計測し,その結果について考察しました.

本実験実習では,文部科学省「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」先端レーザーイノベーション拠点「ALICe」と工学系研究科附属光量子科学研究センターのご支援を受け,工学系研究科機械工学専攻の吉崎れいなさんにティーチングアシスタントとしてご協力いただきました.

2019 July 3 〜 July 6 浜松ホトニクス株式会社中央研究所
講義・実験実習風景