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2019年5月27日(月),東京大学大学院工学系研究科付属光量子科学研究センター 小芦雅斗 先生による先端光科学講義T「光の量子性と光子計数法」,5月28日(火)〜30日(木),東京大学理学系研究科・工学系研究科 森田悠介先生,吉岡考高先生による先端光科学実験実習T「光子相関計数法とその応用」が開催されました.  

講義では,まず電磁波としての光の性質と,プランクの輻射則や光電効果など光子としての光の性質について解説いだきました.また,光電効果を利用して光子を検出する光電子増倍管の原理や,量子論にもとづいた光子干渉について解説いただきました.次に,光の量子性を計測するための手法として,ある時刻における光子の検出確率を解析する光子相関法を用いて,半古典論では説明できないアンチバンチング現象を観測することによって,光の量子性を示すことできることを解説いただきました.最後に,これまでに計測されている光パラメトリック発生や量子ドットを光源としたアンチバンチングの観測例,熱的光源や強度ゆらぎのない古典的なレーザー光など,様々な場合の光の光子相関について解説いただきました.

実験実習では,講義と関連して,光の検出時間間隔の分布を測定する光子統計法と,光子統計性の評価指標である2次の相関関数(g(2)(t))を計測するためのHunbury Brown Twiss(HBT)干渉計の原理について解説していただきました.次に,実際にHBT干渉計を構築し,レーザー光のg(2)(t)を測定して,理論通り1に近い値となっていることを確認しました.続に,レーザー光を回転するすりガラスを透過光を用いてHBT干渉計測を行い,検出間隔が短い領域でg(2)(t)が1より大きな値となるバンチング現象が起きていることを確認しました.このバンチングの程度がすりガラスの回転速度に依存することを測定によって確認し,すりガラスによって加えられる位相のランダムさという観点から,バンチングの程度が変化する原因について考察しました.

本実験実習では、文部科学省「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」先端レーザーイノベーション拠点「ALICe」と工学系研究科附属光量子科学研究センターのご支援を受け,工学系研究科物理工学専攻のシャロンソンバトアモン バラミーさん,理学系研究科物理学専攻の戸田圭一郎さんにティーチングアシスタントとしてご協力いただきました。

2019 May 27 〜 May 30 東京大学大学院工学系研究科・理学系研究科
講義・実験実習風景